こんにちはTANAKAです。実際にやった外壁塗装・屋根塗装・カバー工法の経験から「屋根カバー工法」について得た知識などを口コミレビュー形式で発信していきます。
私が所有する一戸建ては、2021年5月20日から外壁・屋根塗装およびカバー工法の打ち合わせ・施工開始。
そのうち屋根カバー工法は1階・2階それぞれ分けて施工され、はじめに2階部分の屋根カバー工法が5月28日よりスタートしました。
詳しい内容は外壁・屋根塗装(カバー工法)体験談をご覧いただければ分かると思います。
そんな経験から外屋根カバー工法についてわかった「優良業者」と、みずから調べた情報を融合した「お役立ち情報」について忘備録の意味もかねて書き残していきます。
やってわかった屋根カバー工法業者の失敗しない選び方
屋根カバー工法をするとき、いちばん重要なのが「屋根下地の劣化具合」をチェックすることです。何でもかんでもカバー工法すればいいというものではなく、カバー工法に耐えうる屋根下地じゃないと崩壊などの原因になります。
こんなことに注意をして業者を選べば、かなり失敗が減ると思います。
✅ ムリに屋根カバー工法を奨めてこない。
✅ しっかりと屋根下地をチェックし、状況によっては屋根塗装を奨めてくれる。
✅ カバー工法のデメリットまで詳しく教えてくれる。
✅ カバー工法によって必要となる交換部品などもちゃんと教えてくれる。
屋根カバー工法で、いちばん重要なのは「下地の劣化具合に応じた施工」です。
とくに劣化の進んだ屋根下地にカバー工法を行うことは、屋根下地が腐食などに耐え切れず屋根そのものが崩壊するなどの恐れが生じるため、入念に屋根内部までチェックしてくれる業者を選ばないと非常に危険です。
もし屋根の劣化具合が進んでいる場合はカバー工法をやめて屋根塗装に切り替えるなど、適切な判断をしてくれることが基本的な業者選びとして極めて重要になります。
また屋根カバー工法を実施することは既存屋根上を新しい素材で覆う作業になり屋根に厚みが出ることによって、雨樋の位置などが合わなくなります。そこで雨樋など関連するパーツ交換が必要となります。
事前にこういった関連するパーツについてもしっかりと説明をしてくれることも重要で、すべての雨樋を新たに取り換えるだけでも結構な費用が必要となります。
たとえば私の場合などは、屋根カバー工法による「雨樋部分」の施工料金だけで約100万円の費用が計上されました。それくらい雨樋交換工事には出費が必要となるため、屋根カバー工法によって関連する各パーツの必要性や料金についても詳しく説明のある業者を選ぶことが大切です。
総合的にみれば「なんでも詳しく明快に説明してくれる業者」であることが重要で、なぜその費用項目が必要なのか根拠を示しながら、納得のいく説明をしてくれることが優良な屋根カバー工法業者になります。
決して費用の安さだけが優良業者とはいえず「費用に見合った施工内容であること」が重要で、私たち依頼側としてもそれを見抜く眼をもつことが大切です。
したがって屋根カバー工法を考えたら、まずは確かな目を持った業者選びが大きなポイント。いくつかの施工業者と「実際に話をして比較すること」が失敗しない重要な動きになります。
私がまず、屋根カバー工法の知識を得るため利用したのがこちら。
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屋根カバー工法の素材種類
屋根カバー工法で使用される素材として現時点では「ガルバリウム鋼板」がおもに用いられ、ほかの素材としては「リッジウェイ」「スーパーガルテクト」などが挙げられます。
屋根カバー工法素材 | 屋根下地 | 主な特徴 |
ガルバリウム鋼板 | ベニヤ板(コンパネ) | もっとも一般的なカバー素材。軽くて丈夫なうえ価格も高すぎず利用しやすい。 |
リッジウェイ | アスファルトルーフィング | ガラス繊維によって強化されたアスファルトベースの素材。柔らかく破損しにくい趣のある屋根。 |
スーパーガルテクト | アスファルトルーフィング | ガルバリウム鋼板に断熱材などを加工し遮熱性・遮音性がアップ。費用が高め。 |
また最近では新たな素材として、ガルバリウム鋼板の3倍強の耐食性能をもつ「エスジーエル鋼板」といった屋根素材も登場しています。この「エスジーエル鋼板」はガルバリウム鋼板をベースに改良された屋根素材で、いわゆるガルバリウム鋼板のカテゴリーになります。
このように屋根カバー工法に用いられる素材はガルバリウム鋼板が中心となりますが、さらにその上にポリエステル素材や天然石ストーンチップ素材を焼き付けたガルバリウム鋼板もあります。こうした加工の施されたガルバリウム鋼板は瓦風などのデザインによってより美観効果が向上したり、熱反射率アップにつながる効果が期待できます。
さらに裏面へ断熱素材が施されたガルバリウム鋼板などもあり、この場合は雨音を吸収して極めて高い静音性効果をもっていたり、より遮熱性が高まることで室温を安定させる効果などが期待できる屋根素材となります。
ただし瓦屋根など波打つデザインの既存屋根素材の場合カバー工法は行えず、スレート葺屋根など平面を基調とする既存屋根素材の場合のみにこうしたカバー工法が用いられます。
屋根カバー工法の施工手順と期間
私の場合(従来型工法の1戸建て住宅)で、2階部分のみに費やした施工期間はつぎの通りです。
屋根カバー工法の作業工程 | 期間 |
仮設足場の設置 | 1日 |
下地処理(ベニヤ板施工) | 1~2日 |
ガルバリウム鋼板施工 | 1~2日 |
仮設足場の撤去 | 1日 |
全行程 | 約4~5日間(目安) |
さらに1階屋根部分の期間も含めた施工期間は、面積にもよりますがさらに3~4倍程度(2~3週間)が必要となります。とくに私のように従来型構造の戸建てで、1階屋根部分の面積が広い場合は長めの施工期間を見ておく必要があります。
また屋根カバー工法を行うとき高圧洗浄は実施されず、既存屋根上にそのまま下地処理(ベニヤ板)が施され、さらにガルバリウム鋼板が貼られていきます。もし苔が多く生えている場合などはカバー工法の前に、手作業または高圧洗浄機を使用して取り除かれます。
屋根カバー工法の費用
私の場合、屋根カバー工法の費用はつぎの通りでした。
屋根カバー工法の費用項目 | 数量 | 単価(円) | 金額(円) |
仮設足場 | 150㎡ | 900 | 135,000 |
ベニヤ貼り(12㎜) | 143㎡ | 2,400 | 343,200 |
ルーフィング貼り | 143㎡ | 5,000 | 715,000 |
ガルバリウム鋼板貼り | 143㎡ | 7,800 | 1,115,400 |
役物、ケラバ、棟包、壁水切り | 1式 | 180,000 | 180,000 |
既存雨樋金物撤去 | 1式 | 35,000 | 35,000 |
雨樋金物新設 | 361ヶ | 1,300 | 469,300 |
雨樋取付 | 129m | 3,500 | 451,500 |
発生材処理費 | 1式 | 35,000 | 35,000 |
瓦棒塗装工事 | 52㎡ | 2,500 | 130,000 |
合計(税込) | 3,970,340 |
屋根カバー工法の費用相場として、このような一例もあるとお考え下さい。まだ値引きなど何も行っていない屋根カバー工法の費用金額なので、まず初めの見積もりとしてはこのような価格内容になると思われます。
この屋根カバー工法の費用項目にはすべて職人の技術料も含まれているため、施工業者によって金額(単価)は違ってきます。施工業者について調べ有資格者の数、また過去の実績(公共施設や企業案件の落札状況)などと照らし合わせたうえで、適切な費用内訳であることを確認するのがおすすめです。
また屋根カバー工法で使用するガルバリウム鋼板の種類などによっても金額は異なり、表面をポリエステル素材や天然石ストーンチップ素材加工などはより単価も高くなります。
またガルバリウム鋼板の裏面に断熱材が下降してある場合はさらに2倍ほど高価になり、屋根カバー工法の費用がもっとも大きく変わる原因となるため吟味したうえで屋根素材を選ぶことがおすすめです。
とくに屋根カバー工法のコストというのは安いばかりが秀逸ではなく、これまでの実績を加味して考えることが大切です。正しく施工されて不具合など施工後のトラブルが見られないことを確認して、地元で評判のよい施工会社であることをチェックしておくとより安心です。
屋根カバー工法の費用を抑えたい場合は初めに出された見積もりから価格交渉をして、最終的に外壁塗装と組み合わせてさらに大幅な値引きを考えてもらうという交渉術もおすすめです。
屋根カバー工法の耐用年数
屋根カバー工法の耐用年数は一般的に「20~30年」といわれており、さらに「ガルバリウム鋼板の表面加工」によっても異なり、耐用年数の長い場合で「30年以上」という素材もあります。
いわゆる「ガルバリウム鋼板の耐用年数」が、そのまま屋根カバー工法の耐用年数と考えることができます。
表面に装飾素材などが加工されている場合は、その素材に含まれている防水性能・遮熱性能・紫外線吸収性能などによって耐用年数も向上する傾向にあります。また海から近い立地などの場合は、同じ屋根素材でも耐用年数は減少します。
さらに深く追求するのであれば、屋根下地の劣化状況によっても耐用年数は異なります。
屋根カバー工法によって既存部分上にガルバリウム鋼板を貼っても、屋根下地の劣化状況によっては「カバー工法そのもの」の耐用年数が低下する傾向にあります。この場合はカバー工法ではなく屋根全体の修復となる場合もあります。
屋根カバー工法のメリット・デメリット
屋根カバー工法のデメリットは、おもに「重さによる屋根部分への負荷」になります。
既存屋根のうえに下地処理としてベニヤ板(コンパネ)を貼り、その上からガルバリウム鋼板で覆うという施工方法。したがって「既存屋根荷重+カバー工法による荷重」となることで今まで以上に負荷が高まり、屋根全体が劣化しやすくなる傾向にあります。
たとえば私の施工例では「143㎡」の屋根に対して、ガルバリウム鋼板によるカバー工法を実施。築45年で25年時点にリフォームを行っている一戸建てです。
カバー工法材料 | 1㎡あたりの重さ | 143㎡あたりの重さ |
ベニヤ板(屋根下地用)12㎜ | 約6.8㎏ | 約672㎏ |
ガルバリウム鋼板 | 約5.7㎏ | 約815㎏ |
合計 | 約1,487㎏ |
なんと、ベニヤ板+ガルバリウム鋼板の重さは「約1.5トン」という計算になりました。
これは1階屋根+2階屋根の合計重量で、屋根全体にこれだけの重量が今回のカバー工法において新たに加算されたということになります。したがって想像以上に負荷がかかりますので、事前にしっかりとした入念な屋根下地チェックが必要です。
このように築40年超でもカバー工法は実施OKだったので、信頼できる施工業者へ入念なチェックを行ってもらい正確な実施判断を仰いでもらってください。
屋根下地の劣化状況(対荷重強度)によっては屋根カバー工法を実施できない場合もあるので、施工業者と綿密に打ち合わせをしてカバー工法の実施を考えてみることが大切です。
また、それに対して屋根カバー工法のメリットは「防水性能の復元」「遮熱性アップ」「美観の復元」など。
新しい素材で覆うため屋根全体の劣化防止につながり、室内温度の安定化、冷暖房効率アップにつながるといったメリットが挙げられます。
もし屋根の基礎部分に耐性があればカバー工法はメリットも多いので、屋根塗装よりも頑丈に修復でき、さらに長期間耐久するカバー工法を選ばれることはかなりおすすめです。
参考:【経験してわかった】屋根塗装とカバー工法で迷ったときのアドバイス
屋根カバー工法の疑問あれこれ
私が屋根カバー工法を実施する前に、疑問と感じていた部分についてQ&A形式で解説していきます。
屋根カバー工法の失敗例は?
屋根カバー工法が失敗に終わる原因は、おもに「屋根下地の強い劣化」「施工不良」が考えられます。
屋根下地が大きく劣化している場合は耐久性に乏しく、カバー工法による重みによって耐えきれず破損などにつながる恐れがあります。
また悪質な施工会社や技術不足による施工であれば、正しくカバー工法が実施されずその後に剥がれなどの不具合となって現れる場合もあります。
屋根カバー工法で雨音は小さくなる?
屋根カバー工法というのは下地処理としてベニヤ板が貼られ、その上からガルバリウム鋼板で覆われます。
したがって物理的に屋根の厚みがでるため雨音をこれまで以上に吸収しやすく、より音が小さくなることを期待できる施工方法です。
また裏面に断熱材の貼られたガルバリウム鋼板では、極めて高い消音効果を期待することができます。
また下地として使用されるベニヤ板の厚みによっても雨音の吸収性は変わるため、なるべく厚みのあるベニヤ板が使用されることでより高い消音効果を期待できます。
✅ 参考までに。
太陽光パネルがあっても屋根カバー工法はできる?
太陽光パネルがあっても屋根カバー工法はできますが、撤去作業および取付作業が必要となります。
この撤去作業や取り付け作業にかかる費用が別途発生するため、屋根カバー工法以外の費用として考えておく必要があります。
ただし屋根カバー工法による荷重増加の影響があるため、屋根の基礎部分があまりに劣化している場合は太陽光パネルを再び設置するのが難しい場合もあります。
屋根カバー工法で既存の天窓はどうなる?
屋根カバー工法は、天窓があっても施工可能です。
とくに天窓付近というのは雨漏りにつながりやすい箇所で、雨漏りを機に屋根カバー工法をお考えになる場合も多くあるようです。
天窓からの雨漏り対策としても、屋根カバー工法は適した修復方法になります。
カバー工法の必要性は?
屋根カバー工法の必要性は、かならずしもあるとは言い切れません。もし屋根塗装の範囲で収まるようであればカバー工法までを用いる必要性はありません。
屋根修復を考える順番としては「屋根塗装」「屋根カバー工法」となり、既存屋根の劣化状況などによっていずれかの修復方法を考えることになります。
屋根塗装といってもひび割れや欠けなどの部分は、応急処置が施されたうえで塗装が行われます。
この処置範囲外の劣化であれば、屋根カバー工法を考えるといった順番。したがって屋根塗装の範囲で修復できるようであれば、かならずしも屋根カバー工法を実施する必要性はありません。
屋根カバー工法をやってわかったまとめ
このように外壁塗装・屋根塗装から始まって、屋根カバー工法まで3種類を同時に行ってきました。おもにこんな知識が得られました。
- 既存屋根の色落ち程度であれば塗装で十分。
- 屋根にひび割れ・欠け・コケが見られたら重症のため塗装よりカバー工法がおすすめ。
- 屋根基礎部分の劣化状況によっては屋根塗装に切り替えた方がいい。
- 屋根カバー工法は思った以上にプラス荷重となる。(私の場合で約1.5トン)
- 屋根素材によって価格が倍半分は違ってくる。
- ノーマルのガルバリウム鋼板でも十分な耐久性はある。
- 将来的に屋根補修回数が少なくなるほどコスパに優れる。(高耐久素材がおすすめ)
屋根カバー工法で、いちばんポイントになるのが「既存屋根に加わる重さ」です。
かなりの荷重がプラスされるので屋根全体の劣化具合によっては施工できない場合もあるため、確かな目を持った施工業者選びがかなり重要になってきます。
もしカバー工法の荷重に耐えられないようであれば塗装に切り替えるなどが必要で、運悪く悪徳業者に掴まってしまうと無理やりカバー工法をすすめられ、将来的に重大事故へつながってしまう恐れも出てきます。
したがって屋根カバー工法の業者選びというのは超重要になるため、時間をかけてでも慎重に優良企業であることを探ったうえで選ぶことが大事です。
私の場合も、屋根カバー工法により「約1.5トン」という荷重が加わることになりました。
築40年以上も経過している一戸建てへ新たに1,500㎏が乗っかるんですから、それはもう心配で仕方がないというのが私たち素人の気持ちではないでしょうか。
はじめは正直いって「本当にこの家は耐えることができるのだろうか‥」と思っていましたが、施工業者の綿密なチェックにより納得のできる回答を得られたため施工することにしました。